三線のちんだみのお話と鬼滅の刃を三線で演りました
たっちゃんです。
お稽古の合間に「果報節」を弾いておりましたら、その唄は「三下げで」弾こうか、と指導されました。最初にもらった工工四は「本調子」で書かれていて、私もすっかり「本調子」で暗譜していたのですが、元々この唄は「三下げ」の唄なんだそうです。
本調子 三下げ 二揚げのちんだみ
「本調子」「三下げ」「二揚げ」とは、三線のちんだみのことです。調弦などとも言い、ギターなどの楽器でいう所のチューニングを三線の世界ではちんだみと呼びます。
たとえば、太い絃、男弦(うーじる)を西洋音階でいうところの「ド」に合わせたとすると、「ド(C)・ファ(F)・ド(C)」となるのが「本調子」です。
本調子から、一番細い女絃(みーじる)を緩めて「ド(C)・ファ(F)・ラ♯(A♯)」にしたのが「三下げ」となります。女絃を緩めずに男弦と中弦を上げる「一二揚げ」とする場合もあります。
真ん中の弦、中弦(なかじる)を上げる「二上げ」は「ド(C)・ソ(G)・ド(C)」です。
本調子を西洋音階で言うことろの「レギュラーチューニング」とすれば、「三下げ」や「二上げ」はイレギュラーチューニングと言えましょうか、変則的でちょっと難しくなる、というイメージがありますね。
でも、「果報節」は本調子で弾くと、2本の弦を素早く一本の指で押さえるか人差し指と中指で重ねて窮屈に押さえる箇所が出てきます。
確かにちょっと、無理がある、と感じていたものの、そんなものなんだと思っておりましたが、これが「三下げ」にすると、自然に押さえることが出来る、
すでに本調子で覚えてしまっていたので、最初は少々違和感がありましたが、慣れてしまうと、確かに三下げのほうが弾きやすいかと思いますし、同じ唄を「本調子」と「三下げ」で歌えるというのも新たな発見でもありました。
余談ですが、もともとギターに馴染んでいた私には、本調子より「二上げ」や「三下げ」のほうがしっくりきます。ギターの1弦と2弦の配列が、二上げ・三下げの時の女絃と中絃の配列と同じなのです。
ギターでは、チューニングを変えるのは特殊な曲という向きもありますが、三線の場合、二上げの唄、三下げの唄などが沢山あります。唄の節回しにあわせて、最も弾きやすいように、ちんだみを合わせていくということなのでしょうか。
ちんだみを変えるのは難しい曲だ、というような思い込みを持たずに素直に学んで行きたいと思っています。
鬼滅の刃を三線で
教室のお稽古では、主に民謡を唄っております。普段、ポップスなどはあんまり練習していないのですが、このたびアニメ「鬼滅の刃」主題歌の「紅蓮華」を人前で演奏するチャンスをいただきました。
私の妻が所属しているピアノ教室の発表会に、娘も毎年出演させていただいておりますが、今回は「きめつのやいばを歌いたーい!」と言ったのです。
じゃあ、伴奏はパパの三線で、ということで練習してみました。
(娘が半分しか写ってないのは、三脚の向きが悪かったからです。)
当日は、他の子もピアノソロで紅蓮華を弾いていましたが、唄三線バージョンは珍しいでしょうから、まあまあ受けたんじゃないかと思います。
コロナ禍のお陰で、客席はガラガラ、反応は薄かったですが、、、
紅蓮華の工工四
鬼滅の刃の工工四は手に入らなかったので、YouTubeでひたすら繰り返し聴いて、覚えました。
ちんだみは、オリジナルの音程に合わせて、3の三下げにしています。
それにしても、紅蓮華はやたら節回しが速くて、三線を弾きながら歌うというのは、難しそうです。唄ってるだけの娘も、舌がもつれておりました。笑
このあと、一応私の出番もいただけたので、十八番の「新安里屋ユンタ」と「家庭和合」を披露してまいりました。
元来、クラシックとオペラの発表会の場に、親子で異質な感じではありましたが、発表の場があるということに感謝です。
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