消音ウマを使った三線の稽古
三線のウマというパーツ、絃の振動を胴に伝える仕事をする大事なパーツの一つです。
そんなウマの中に、文字通り音を消してくれる消音ウマというウマがあります。
消音ウマ
私達にとってはこの上ない極上の癒やしの音である三線の音色も、興味のない周りの人にとっては、ただの雑音、騒音であることは少なくありません。
この騒音問題は、特に街中の集合住宅で暮らす人にとっては、深刻な問題だ言う話、仕事を終えて帰宅してから、遅い時間に音を出すことなど出来ない。隣近所だけではなく、家族にも気を使ったりすることも多いと言う話はよく耳にします。
好きに音を出せる環境がある方などは、地方の一軒家に暮らす人など、条件が限られる一部の人じゃないでしょうか。
そんな時、一つ持っていると便利な小道具が消音ウマと呼ばれるものです。
「しのびウマ」や「小音ウマ」などとも呼ばれるようです。
街中に暮らす者にとって周りの目を気にせずに稽古するには消音ウマは、必須な道具かもしれません。
消音ウマの構造
三線の音は、歌口と呼ばれるパーツとウマによって支えられた絃の振動を、棹や胴が増幅して美しい音として鳴り響きます。
このウマの働きを止めてやることで、音が小さくなるという仕組みです。一度消音ウマを使ってみると、三線の音が鳴り響く仕組みもウマの大切さも体感出来るでしょう。
自作の消音ウマ
消音ウマを自作する方も少なくなく、実際に私も幾つか教えて貰ってやって見ましたが、ウマと同じに高さを合わせて、消しゴムを挟んだりするだけでも消音効果はかなりのもので、興味ある方はやってみると良いかと思います。
とは言え、不器用な私は見てくれの良いものを作ることも出来ず、消音ウマは購入しても500~600円ほどのものなので、今では市販の物だけを三線ケースには忍ばせています。
普通のウマについて
せっかくの機会なので、普段使うウマに付いても紹介しておきます。
三線に、ウマをセットすることを「ウマを立てる」と言います。
ウマの素材
竹、黒檀、プラスチックなどの素材が一般的です。
水牛とか、象牙やべっ甲などの高級素材のウマも立てたことが有りますが、以前も何処かに書きましたが、ウマを立てたまま何らかのトラブルでウマに衝撃が加わった際、あまりにも強度のあるウマだと、胴に張られた皮が破損してしまうこともあるのだとか。
竹ぐらいがちょうどよくて、大きな力が加わった際には、ウマが破損してくれる、そんな話を聞いて以来、私の周りは竹のウマの愛用者が多くなりました。
音には直接関係有りませんが、きれいな装飾を施されたウマなどもあります。画像は六線用のウマですが、竹の局面を上手く利用した、きれいなウマです。
ウマの表と裏
一見、なんの変哲も無い竹を削ったパーツですが、よく見ると、竹の表側の部分と裏の部分があることが判るでしょうか?表はつるつる、裏側は竹の繊維が横に走っています。
画像では分かりづらいかもしれませんが、竹の表側のなだらかにカーブする部分を天の方へ向けて(左側が天です)ウマを立てます。
余談ですが、時々、この表裏が逆のウマも存在するらしく、ウマの形で立てる方向は覚えて置いたほうが間違いありませんね。
ウマを立てる位置
糸掛けから指を3~4本あてた所、みたいな言い方をしますが指の太さと言うのは個人差もあるもんですから、一度先生にでも位置を決めて貰って、その時に、自分の指で何本分、と覚えて置けば良いかと思います。
だいたい三線の胴の三分の一ぐらいの位置、私の指では画像の様に指4本の位置ですが、宮絃会教室の某女子は手のひら全部、そんな感じです。
まとめ
正直なところ、私自身は消音ウマを自宅で使うことはまず無くて、年に何度か、三線を持って出かけた先で使うことが有るぐらいです。
この消音ウマを当てることで小さくなったポコポコした音がどうにも馴染め無いと言う贅沢など言ってますが、三線の傍らに置いておけば便利な小道具でいうことは間違いありません。
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