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2019-07-24

三線のツメの選び方考

三線のツメ

これから唄三線を始めると言う方は三線を購入する際に、同時に揃える必須の小物が幾つかありますが、中でも重要度の高い物の一つがツメ選びだと思います。

ツメ(爪)?バチ?

三味線 バチ

三線を弾くにあたって、必要なのがツメです。沖縄地方の言葉で言うと「チミ」です。「バチ」と言う呼び方もされるようですがツメと呼ぶのが正しい呼び方です。

上の画像がバチです。内地の三味線は、バチと呼びますから、沖縄三線もそれに習ってバチという呼び方がされる様になったのでは無いかと推測。南の島の人達は優しいですから、バチじゃないツメだよ、とあまり訂正もしないものですからバチという呼び方も、割と一般的になってきたのかもしれません。

ツメを使わずに、自分のツメを使って演奏する方もおられます。沖縄の大師匠の中にも「自分のツメは忘れないから良い」と言ったという話を聞いたこともあります。

私自身も実は自分のツメで弾くのが好きすが、自分のツメは割れたりしていつもベストな状態に保つのが難しいため、やはり専用のツメも普通に扱える様にしておくのが良いのではと思ってます。

また、琉球古典音楽では爪は必須、民謡でもコンクールを受験する際には必須の協会もあると聞いたことがあります。

ツメの材質

三線のツメの選び方

一昔前は、三線のツメと言えば水牛が一般的だったそうですが、今では色んな材料が三線のツメとして加工されています。

・水牛
・アクリル
・セラミック
・ベークライト
・黒檀や花梨 竹などの天然木
・象牙
・その他

上げればそれこそ切りがありませんが、当然、それぞれの素材には特徴があって、更には大きさや形、三線奏者はそれぞれがこだわりを持ってツメを使っています。

唄によって使い分ける方もおられるようで、まだまだ知らない世界が沢山あります。

三線のツメの選び方考

大阪の某博物館で見た竹製のツメ。

初心者のツメ選び

宮絃会の先生方は、最初は重さのある大きめのツメが良いと勧めます。

これは私もそう思っていて、ツメ自体の重さを使って、一つ一つの音を丁寧に弾く癖を付ける、テンポの早い曲もツメの重さを利用して弾くという感覚を身につけることが出来ると思います。

速弾きをするにはこぶりなツメが良いとか、古典をする方は大きなツメを選ぶとか、色んな定説も耳にしますが、それらには必ず「でもあの人は○○だけど、」と言う話もついて回ります。

結局は、自分にあった理想のツメは出来る限り沢山のツメに触れて見つけるしか無い、という話だと思います。

三線選びと同じかそれ以上にツメ選びは難しいという話は本当だと思います。

ツメの持ち方

三線 初心者のツメ選び

ツメにはこんな風に、人差し指を入れる穴が空いています。

三線 初心者のツメ選び

人差し指を突っ込んで、中指でツメの上部分の半分を添え、親指はツメの先の部分を支える感じです。

三線ツメ

また、穴に指を入れずに、人差し指を添えて持つ方もおられます。

三線 初心者のツメ選び

良くあるだめな持ち方はこんな感じです。親指をツメの根本の方に置いてしまうと、ツメが安定せずに、特に速弾きで掛音を入れたりする際などにツメ先の細かいコントロールもし辛くなります。

穴の大きさも大切で、人差し指が自然な形で曲がる様にしなければ、演奏中に痛くなったりして、宜しく無い上に、きちんとした持ち方をキープすることも出来ないでしょう。

穴の大きさは、購入したバチを自分で、ナイフやヤスリを使って広げて調整します、これは市販のツメを購入する限り必須の作業となります。

指掛けツメ

三線 指掛けツメ

人差し指を穴に入れるのではなく、ツメに掘られた溝に合わせることで、基本の持ち方、ツメ先の絃への当たり方をキープしやすいと言うことで、人気があります。(このツメ、実は大阪で作られています。)

穴に指を入れるのでは無くて、人差し指をツメに作られた溝に添えて、中指と親指で支えて絃を弾きます。

人差し指を穴に差し込むよりも、ずっと自然な形でツメを握れる、絃に対しても常に正しい位置でツメを当てることが出来るというワケです。

これまで、大きさや重さ、形などは良い感じだったのに、人差し指が窮屈で使いづらいツメは一つや2つじゃ無かったです。

指の太さは人それぞれなのに、指を入れる穴のことはそんなに考えられてなかったんじゃなでしょうか、また、一昔前とはツメの素材も違うし、溝を掘るなどの加工技術も無かったのかも知れません。

まとめ

ツメ選びは本当に難しいです。上達するに従って、好みが変わるのも当たり前、挙げ句は、ツメなどなんでも良いって師匠方も何人も見てきました。

大きさ、重さ、良い音、弾きやすさ、、、検証材料は幾つもあって、やはり爪選びは難しいと言う結論です。

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