宮古島の郷土料理について
郷土料理と言うのは、その土地々々に根付いた食材を使った料理のことです。
北海道のジンギスカン、東京の柳川鍋におでん。愛知のひつまぶし、大阪のたこ焼き、高知のカツオのたたき、鹿児島のさつま揚げ、枚挙にいとま無く、各地の美味しい郷土料理がすぐさま思い浮かびます。
さて、宮古島の郷土料理とは?という話です。宮古かぶれな私でさえ、改めてそう問われれば、難しい話だなと思ってしまいます。
宮古民謡と宮古の郷土料理
宮古の郷土料理を説明するのに、民謡の話を例にすると判りやすいかもしれません。
例えば、宮古民謡と沖縄本島の民謡の違いです。同じ三線という楽器を使った唄ですが、この違いについて語れる方などは、唄三線を学ぶ方以外には余程の好き者の方々に限られるでしょう。料理についてもそういうことじゃないかと思うのです。
同じ琉球諸島の料理、食材は同じ様なものだとしても、各島、唄が違う様に、違う郷土料理が存在するのです。
琉球料理と沖縄料理
料理は食べるのも作るのも嫌いでは無いので、一週間と空けず、足を運ぶ沖縄料理の店々で教えられたのですが、郷土料理について知るには、琉球料理と沖縄料理の違いという話も書いておく必要があると思いました。
端的に説明すると、琉球料理とは地元の食材を使った、古くから琉球の地に伝わる伝統料理です。
琉球王朝から薩摩藩の配下として、そして戦後は米軍にと時代に翻弄された歴史が有ることは皆さんもご存知の通り。その米軍の統治下時代に出来上がった料理を沖縄料理と呼びます。
すぐさま思い浮かべるメニューに、タコライスやポーク玉子など、アメリカの匂いがぷんぷんする料理が幾つも思い出せるのではないでしょうか?
同じゴーヤーチャンプルでも、琉球料理では豚の三枚肉を使うのに対し、沖縄料理になるとスパムを始めとするランチョンミートが使われるという違いがあるのです。
こういう話を聞いて納得したことがあります。
沖縄料理って体に良い長寿料理だと言うイメージが有りませんでしたか?
ところが、先に上げたタコライスやポーク玉子からは、長寿料理を連想するには少々無理があるかもしれません。琉球料理と沖縄料理の違い、つまりはそういう話だったのです。
良質なタンパク源である豚肉や豆腐、ミネラルたっぷりな海藻、美味しい塩。これらで味付けされた琉球料理こそ、長寿料理だったという話だったのです。
まだまだ話があって、琉球料理は宮廷料理と庶民の料理に分類されると言います。
料理についてはこれぐらいにしたいと思いますが、これらの話って琉球に伝わる唄の話と同じだと思いませんか?
宮廷の料理と琉球古典音楽、庶民の間で生まれ広まった民謡と庶民の料理、そして島々の民謡と島々の料理。
唄も料理も奥が深い話です。
宮古の郷土料理
昨今の話ですから、唄と同様に色んな物が交差して今の宮古の料理が出来上がっているという話を前提に、宮古島に伝わる、宮古ならでは、と言った料理や食材の数々を紹介したいと思います。
宮古そば
沖縄本島の沖縄そばや八重山諸島の八重山そば、そして宮古そば。同じ様に感じるものの、麺や出汁が違うと言います。
宮古そばは、麺に卵を使い出汁は地元の鰹とソーキのさっぱり出汁が基本。
とは言え、正直昨今の宮古そばと呼ばれるそばも、本島のそばと比べても並べて食さない限り、私らには違いが判らないなと言うのが本音です。
個人的な宮古島のお気に入りのそば屋というのは、これまでも紹介した通りですが、残念ながらそれが宮古そばなのか、さえも判らなかったりします。
宮古そばは具材は麺の下に隠すのが伝統的な盛り付けだと言いますが、これもまた今の時代にはそぐわないのか、これまで食べた宮古そばに、そんな盛り付けとは出会っておりません。
まだまだ食べ足りないのかもしれません 笑
古謝 宮古そば
宮古の方々の宮古そば好きはかなりのもので、そばなら○○で、みたいな話もよく耳にするし、家庭でも良く食べると言います。
私も知人にわざわざ送ってもらったりするのですが、これが美味しいお取り寄せの宮古そば「古謝 宮古そば」です。
温めて蒲鉾などをトッピングすれば出来上がり、無くなるまで、毎日食べ続けるぐらいおすすめの美味しいそばです。
しま豆腐
画像は、島豆腐の上にスクガラスが載ったスクガラス豆腐。
沖縄の豆腐と言えば、「島豆腐」です。一口に豆腐と言ってもその土地々々で水が違ったりして、色んな味わい深い豆腐を食べることが出来ます。
島豆腐はにがりの代わりに海水を使用するので、そのままでも美味しく食べれるし、チャンプルー料理にされたり、最近はゆし豆腐を食べさせる店も多いですね。
このゆし豆腐が超おすすめ、既に紹介した「伊良部そば かめ」のゆし豆腐そばや最近はゆし豆腐を店先で食べさせる店もあるので是非にとおすすめします。
沖縄に古くから使われている、アルミで出来たシンメーナービと呼ばれる豆腐作りの鍋が良い感じです。
豆腐チャンプルーです。
宮古味噌
宮古島には、宮古味噌と呼ばれる味噌があります。
宮古味噌で有名なのが「マルキヨ味噌」というブランドで宮古島の天然麹菌を使った昔ながらの製法を守リ続ける味噌です。
味噌という調味料?食材?は全国各地に色んな特色のあるものが存在するのはご存知の通り。米みそ、麦味噌に豆味噌、さらに赤に白、甘口辛口と、郷土料理の数だけ種類があるとか、そんな言葉があるぐらいに味噌は琉球の地でも一般的な食材の一つなのです。
画像はナーベラーの味噌炒め。味噌は色んな料理に使われます。
牛汁
牛肉と言えば、宮古島は宮古牛の産地、焼き肉であったりステーキだったりを我々県外からの者は、それらの店でステーキを満喫したりもするワケですが、宮古は牛汁と呼ばれる牛肉を煮込んだ汁物が伝統的な牛の食べ方としてあります。
焼き肉屋でいただくことのできる、テールスープではなくて、宮古味噌で味付けしたもので、大阪で言うところの、すじ肉を煮込んだどて焼きみたいな雰囲気かと思います。
バリエーションも豊富で、画像は牛と豆腐の組み合わせ。宮古島の家庭では、お祝いの席などで良く食べられるそう。山羊や豚と同じ様な感じですね。
あちこちの島へは足を運んでいるつもりでしたが、牛が登場するのは宮古が始めてで、あまり縁の無い八重山辺りも牛の産地なので、牛汁の様なメニューがあるのでは無いかと思います。
黒糖
郷土料理というわけでは無いかもしれませんが、琉球の地での黒糖はあまりにも有名です。これほどまでに知られた黒糖も、産地によって味がまったく違う物であることをご存知の方は少ないと思います。製糖所によっても違います。
画像は多良間島の黒糖です、濃厚な甘さがあります。
こちらの画像は奄美大島の加計呂麻島の砂糖。すっきりとした甘さが特徴。
加工品として黒糖が使われている物はデザートを始めきりがないぐらいありますが、そのまま口の中に入れても美味しい、お気に入りの黒糖を探してください。
コメントを残す