三線の構え方
教室に体験や入門される方々の「三線の持ち方」を見て、フォームが如何に大切か、を感じることが多いです。
良くない構え方
手っ取り早いので、まずは三線を始めたばかりの方の、良く無い構えを順番に見て行きましょう。
■ まずは、三線の棹の先端、「天」の部分を見て下さい。(画像の一番右側の赤丸です)天の高さが肩の高さに来るように構えるのが正しい位置、斜め45度ぐらいの傾きになると思います。
■ そして左手の棹の持ち方。画像では棹を手のひらで握り込んでしまっていますが、人差し指の付け根部分に棹のくびれたあたりを当てるだけ、ここは凄く大切で、左手で棹を支えてはいけません。
■ 三線を支えるのは、左手ではなく、右手です。三線の胴を右手の手首の5センチぐらい手前の部分で、三線の胴を押さえて、太ももに押し付けるにしてバランスを取ります。
■ 三線の胴を見て下さい。胴が体に密着してしまっています。自分の体からこぶし一つ分ほど離して、空間を作ります。そして、三線は体と平行になるように構えるようにしましょう。
正しい構え方
上記の指摘部分を修正した構え方です。
とは言え、何処かぎこちなさを感じるのは、当然です。モデルの彼は三線を初めて構えて一ヶ月。稽古を積み重ねることで様になってくるものですから、心配は無用です。
三線に限らず、武道に舞踊、どんな事柄にも、基本の形と言うものがあり、それは大切なことです。基本があってこその応用、特に三線を始めてから、最初の間は時折フォームをチェックしてもらうというのは大切だなと、冒頭の通り強く思っています。
膝の位置は握りこぶし二つ入るぐらいから肩幅ぐらい、肘と脇のあいだも握りこぶし一つくらい開くように構えるようにとか、左手の親指の位置であったり、爪を弾く位置など、所属する会によって他にも色々と指摘が入るかもしれませんので、指示に従って基本フォームを学べば良いと思います。
余談になりますが、我々の民謡の世界では、それほど細かく指導されることはありませんが、その美しい所作も魅力の一つとなる、琉球古典音楽の世界では更に厳格な基本の構えが指導されるそうです。
立ち弾き
椅子に座る、正座して弾く、この二通りの弾き方については、これまで書いた通りですが、少し難易度が高くなるのが立って弾く構え方です。
画像は、宮絃会関西支部の相談役、清村斉先生です。
三線の胴を右の腰骨の上に乗せる様なイメージで、右手で押さる感じで固定します。
座って弾くときよりも少し胴を体の外側に持ってくると構えやすいと思います。
胴は体にくっつけないように、すると、三線の表はやや下向きになります。
天の位置と左手の棹の握り方は座るときと変わらず、足は肩幅ぐらいに開いて立ちます。女性の場合はもう少し足幅を狭くして、左足を少し前にずらすと美しく立てるとのことです。
発表会などでは立ち弾きでの演奏が多いので、いきなり立って弾けと言われても焦らない様に時々は練習しておくのが良いと思います。
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